宗祖日蓮大聖人像
廣照山 光福寺(南佐久郡南牧村廣瀬地区)が明治の廃仏毀釈にて荒廃。該寺の本尊等を當一庵に移転し安置し現在に至っております。
開基 如意輪観世音菩薩像
宝永四年(1707年)御本尊として観世音菩薩像を安置と記録古文書有り(高見澤誠家所蔵)
現在本堂向かって右手に祀られている像が当時の本尊の観音菩薩像であると推定されます。
片膝を上げ頬に右手を当て思惟(衆生を救う方法を思案する姿)輪王座を取られている如意輪観音像であります。(富と幸福。どんな願いでも叶う珠(如意宝珠)と、煩悩を打ち砕いてしまう法輪を持つ)
如意輪観音の多くは法輪と宝珠を手にする六臂像ですが、當山の像は右手に宝珠、左手に蓮華と薬壺と思われるを持つ一面四臂像であります。
北辰妙見大菩薩像
北辰妙見大菩薩は北辰菩薩、妙見菩薩、尊星王とも呼ばれ、北辰とは北極星の事です。
日蓮宗や天台宗等では北極星を神格化した北辰妙見菩薩を、眼病を治し、安産や良縁をもたらしてくれる菩薩として祀る信仰が盛んで、「北辰さん」や「妙見さん」として親しまれています。
像形は一定しておらず、青竜に乗ったり童子の姿をした像等があります。
當山にある北辰妙見大菩薩は木造で、身丈34㎝、19㎝×14.5㎝の台座の上に置かれた亀の背に直立してます。
右手には剣、左手には宝珠を握ってるこの像は、江戸時代末期に四ツ谷の井出伊八義保という仏師が彫刻した菩薩像であります。
慶応元年(一八六五年)に五十八歳にて亡くなった伊八は代々仏師をしていた四ツ谷の井出家の一門だったと言われています。
高明寺では毎年、十二月二十二日に此の菩薩像を祀る星祭り(冬至の大祭とも呼ばれる)が奉行させていただいております。
此の祭事では檀信徒が五穀豊穣と一年の家内安全を願って祈祷や星祭り札を受けています。
又此の像は町の指定文化財として認定もされています。
鬼子母大善神像
加持祈祷の神様でもある南無鬼子母大善神様、並びに子供を守護頂ける神様でもあります。
お寺の年間行事にて二月に節分を奉行させて頂いておりますが、鬼神である鬼子母神様をお祀りしている為、當山での節分においては鬼は外とは言わず、福は内のみの掛け声をさせて頂いております。
駆け込み大黒天像
古来より大黒天様は神佛両系に存在する神です。
神道に於いては大国主と混同習合されて破壊と豊穣の神として信仰された様です。現在では豊穣の神とされています。
佛教に於いては同じく元はヒンドゥー教の破壊を司るシヴァ神の異称でもあります。
その様な歴史の中、神仏両道の習合として吾国では現在多く見られる御姿となっています。
佛教に於いては摂受折伏の姿とも呼ばれ、本来悪魔怨敵退散の守護神ともされています。當山の大黒天様は如意剣と小槌を持つ珍しき姿をされています。
随喜捨銭、全身金色に包まれた円やかな微笑みの大黒天様を御自身にて優しく撫で摩り、佳き事ありと夢々疑う事なきように。